私は、マンション(持ち家)を何度か買い替えしてきましたが、その過程で何度も悩まされてきたことが、「仮住まい無しで住み替える」ことでした。
いくつもローンを借りられる人なら問題は少ないのですが、大体が、現持ち家のローンで与信の多くを使っていて、ローンを完済しないと新しい住宅ローンを貸してくれないケースが多いからです。
最近では、持ち家を後で売却してローンを返す条件で、新しいローンを貸し出してくれる金融機関も増えてきましたが、売却できるまでの期間、Wローンが生じるリスクもあり、貸し出し条件も新規借入より悪くなりがちです。サービスを提供してくれる金融機関の種類も限られます(関連記事)。
以前、買い替えを検討していた際、上手く買い替えできないか必死で見つけたのが、住宅ローンの残債を0にするために資金面の支援をしてくれるサービス「ARUHI(アルヒ)住み替えコンシェルジュ」です。
【ARUHI住み替えコンシェルジュ】https://www.aruhi-concierge.co.jp/
実際に利用してみました。
この記事の目次
サービス内容
「ARUHI住み替え実現ローン」は、現在所有している住宅(担保物件)の住み替えに必要となる一時的な融資をしてくれるローンサービスです。つまり、後で売却して現金が入ってくるまでの「つなぎ融資」をしてくれます。
以下、具体的な進め方。
新居購入の目処が付いたら「アルヒ」に依頼。持ち家である自宅(以下、現住まい)を査定してくれ、売却査定額を現金で振り込んでくれます。
その現金で現住まいのローンを返済。残債は0になり与信が戻りますので、現住まいに住み続けたまま、好きな金融機関のローンを借入れ新居を購入。転居が済んでから現住まいを売却し、その売却して得られた現金をARUHIに返済する仕組みです。
融資を受けた売却予定額は、事務手数料1.1%を支払い、返済まで最大6ヶ月を金利0.5%で借りる形になります(22年6月現在のサービス内容)。
ARUHI(アルヒ)住み替えコンシェルジュ メリット
今まで苦労してきた私は、新たに購入したいマンションへの買い替えを支援してくれる大きなメリットを感じました。
自宅を先に売らなくても新居を購入できる
このサービス最大のメリットは、先に自宅を売らなくても新居が買えること、仮住まいせずに希望の住まいへ買い替えできることです!
余計な労力をかけずに1度の引越しでスムーズに住み替えができます。仮住まいをしないで買い替えを考えると条件が限られてくるので、私は何度か欲しいマンション購入を断念してきました。
自分の好きな住宅ローンで買い替えられる
こちらも大きなメリット。先述の通りWローンを許可してくれる金融機関は限られ、借り入れ条件も0からの新規借入より落ちるケースがほとんどです。例えば、2023年1月現在、0.2%台、0.3%台の変動金利の金融機関、住宅ローンが誕生していますが、買い替え条件では、審査を通して融資決済を受けることは不可能に近いです。一旦、残高を0にして与信をきれいにすれば、どんな金融機関も新しく審査を受けることができるようになります。
Wローンの心配、仮住まいの費用負担が少なくて済む
後売り可能な住宅ローンを選択した場合、売却のタイミングが合わなかったときにWローンを走らせるリスクが生じますが、売却額を前借りすることができるため、その心配も無くなります。
また、仮住まいして住み替えを選んだ場合よりも、余計な引越し費用、家賃、敷金、礼金などを負担せずに済みます。
概ね相場通りで自宅を売却できる
売却査定額を事前に融資してくれた後で、実際に売却する際、当初の査定額より高く売れた場合は、差額分も振り込んでくれるため、およそ相場通りの満足いく売却額で売り切ることができそうです。最長6ヶ月の融資期間内に、万が一売れなかった場合は買取保証もついています。
ARUHI(アルヒ)住み替えコンシェルジュ デメリット
ただし、事前に踏まえておきたい注意点もあります。
手数料が余計にかかる
新たな住宅ローンの手数料に加えて、数ヶ月の仮住まいを回避する理由で、アルヒのつなぎ融資の事務手数料1.1%が生じます。例えば、自宅売却査定額が5,000万円で、新たな住宅ローンを6,000万円借りることになりローン手数料が2.2%とすると、新住宅ローンを借りる金融機関へ支払う手数料132万円に加えて、アルヒへ支払うつなぎ融資手数料55万円が生じることになります。
ただし、そもそもアルヒの手数料が一般的な貸出手数料の半額程度(1.1%)であることと、希望の物件へのスムーズな買い替えなど大きなメリットは先述通りなので、この負担をどう考えるかでしょう。私なら支払ってでもサービスを受けたいです。
売却依頼はARUHI提携の仲介業者のみ
売却する際は、ARUHIが提携している仲介業者が売却活動をすることになります。随時、提携の仲介業者を広げていると聞きましたが、自分が指定する仲介業者を選べない可能性があります。売却が初めての方や、特にこだわりが無ければ、任せても問題ないと思います。相場通りで売れるかは、業者よりも物件の特性に大きく関わってくるものだと思っていますので。
融資額は、物件評価額の90%以内
つなぎ融資をしてくれる金額は、売却査定額の90%以内なので、その融資額で残債が0になるかがまずは最初の壁。売却査定額で残債が0にならなければ、埋め合わせる現金を用意できるかが注意点になります。
融資期間6ヶ月以内に現住まいを売り切る
通常、3~6ヶ月程度あれば、査定額、相場通りで売却できるので、大きな心配はありませんが、売却期間が限られていることで、エリアや立地など売却物件(現すまい)の特徴によっては、希望の価格から落として売却を余儀なくされる可能性も出てきます。もし買い取りになれば、相場から80%、70%といった査定額になることもあります。
以上、実際に利用してみて、サービスの特徴、メリット、注意点を見てきました。
まとめ・最後に
物件や条件に左右されることなく、仮住まいせずに希望の物件への住み替えを助けてくれる、画期的なサービスだと思いました。
売却する自宅と購入する新居をタイミングよく合わせることは非常にハードルが高く、特に数年先に竣工を控える人気の新築マンションでは難しいのが現状です。当ブログで紹介しているマンションの中でも、分譲時に仮住まいの無い買い替えを打診して断られ、結果購入を断念したマンションが何件もあります。
最近では、ようやく持ち家の後売り可能な住宅ローンのサービスも出てきましたが、金融機関に限りがあり、Wローンのリスクや貸し出し条件もつきます。
今回は、買い替え自体が叶わなかったので、サービスの利用を途中で断念しましたが、買い替え、住み替えを検討されている方は、1度相談してみることをお薦めします。
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マンションの購入・住み替えなど