マンションの購入、売却を検討している人から、よくいたただく相談があります。
この記事の目次
70㎡の3LDKを2LDKに間取り変更したらリセールは下がるか?
購入時、3LDKから2LDKに間取り変更しない方がリセールは良い?
売却時、2LDKを3LDKに戻す方がリセールは良い?
「条件が良ければ」ほぼ変わらないと考えています。
売却時は、2LDKのまま売出しましょう。3LDKにリフォームするコストが無駄になります。
生活しやすさを考えて2LDKにしたければリフォームしましょう。リフォームを購入価格に入れれば当然リセールは下がります。
ただし、条件が悪ければ▲100~200万円前後、もしくは数%の影響が出る可能性があります。
リセールが変わらない条件とは
では、リセールが変わらない条件とはなんでしょうか。
それは、様々な層から引きが強いエリアや立地、物件特性です。
エリア特性(主要駅・人気エリアなど)
立地(駅近・生活環境など)
物件特性(タワー・ヴィンテージマンションなど)
例えば、今ではモデルルームの予約もままならないほど人気のタワーマンションなら70㎡で2LDKの売出しも見られますが、一般の板状マンションでは70㎡で2LDKの売り出しは皆無です。
エリアで言えば、単身やDINKSが便利に楽しく暮らせる街。立地で言えば東京都23区の駅徒歩5分以内など。
私も、2LDKにした70㎡住戸を3LDKのチャレンジ価格と同価格で売出したこととがありますが、結果1週間で申し込みが入りました。人気のエリア、希少な築浅、最大手の物件だったので、少しのハンデがあってもすぐ売れると思っていました。
自分達もこのマンションを購入した理由の一つに、「子供が産まれなくても2人で生活を楽しめる場所、共働きしやすい場所」がありました。
一方で、江戸川区瑞江や西葛西エリア徒歩10分などであれば、相場通りで売るのは難しかったと思います。西葛西はファミリーに人気が高く、瑞江も同じく戸建てとの競合もあるからです(売却当時の情勢)。
リセールを下げる理由
ファミリータイプのマンションは、一般的に家族4人、3LDK、70㎡が不文律となっています。
リセールを下げる理由は、広めの2LDKの需要が足りず、一定期間での売却が難しくなるから。また、3LDKとして使用したい買主のリフォーム費用代が見込まれるからです。
売却時の査定では、一般的に仲介業者と3ヶ月間の取引契約を結びますが、その3ヶ月間で売り切る価格に影響が出る可能性が加味されます。マイナス査定が組み込まれるなど、不動産業者は70㎡2LDKの売りづらさを知っています。
リフォーム費用は、主に引き戸や壁を設置して3LDKへ原状回復する費用で、100万円~200万円程度でしょうか。逆に壁を取り払って2LDKにする費用は、私の経験ですが約70万円でした。
ただし、1LDKに変えると…?
70㎡の1LDKになってしまうと、人気のエリアや駅近でもリセールに影響を与える可能性が大です。
70㎡住戸を、20畳のLDと8畳の洋室で1LDKにするなど、好みが入りすぎた部屋は嫌われる傾向にあります。現状へ戻す労力も費用負担も難しくなり、検討時に面倒な印象も残ります。
物件名は控えますが、人気のエリア、駅近の立地でも、5%以上差が出た事例がありました。
70㎡の1LDK。4階、南西角住戸の例。
3ヶ月前に、棟内で南向きの2階、3LDKの中住戸が坪単価323万円で成約されました。
相場の上昇曲面である事と、階数、角住戸など先発より好条件だったことから、坪単価340~350万円前後の相場観でしたが、私は売れないと思っていました。案の定、売出し価格から価格更新し、結果坪単価約310万円での成約。翌年は、似た条件の3LDKが坪単価350万円前後で成約されていました。
つまり、いくら人気の駅近立地でも、相場で検討されるほど、70㎡の1LDKは需要が少なかったのです。
少しでも売りやすく・気持ちよく購入するために
売却時には、地域の動向に強い仲介業者と相談して売却戦略を決めましょう。
3LDKへのリフォームする疑問点を最初の段階でクリアにしておきます。「3LDKへ間取り変更が可能」、「ウォールドアを設置の場合、○○○万円ほど費用がかかります」「家族3人に広々住みやすい間取り!」など、広告備考欄への表記や、内見者への説明を工夫しましょう。
70㎡、2LDKの魅力はゆったり感。部屋の状態を良好に、室内を最低限の荷物にして、インテリアの見せ方も工夫します。LDの開放感と余裕ある収納を見せて、ゆとりの暮らしをアピールしましょう。
購入を検討する際は、「条件が良ければ」70㎡2LDKの購入を進める、もしくはリフォームを決めて問題ありません。また、これは個人的な考えですが、70㎡広め2LDKの人気が無いエリアや立地でも、後々のリセールを考えるよりリフォームして快適な生活を優先した方が良いと考えています。日々の幸せ、生活の満足度は、数百万円程度のお金に代えられないものがありますから。
簡単ですが、以上になります。
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