マンション室内での快適な生活を考える上でもっとも重要なことは、リビングダイニング(以下LD)を押えることだと考えています。LDは、食事をしたり、趣味の時間や家族での団欒を楽しんだり、マンション住戸の顔だからです。
快適なLD空間に必要なことは「広さ」と「明るさ」です(記事下部に関連リンク)。
今回はLDの広さについて。
前回のエントリー記事(記事下部に関連リンク)に続いて、押えておきたい超基本的な事、LDの「必要な広さ」と「間取りの見方」について共有します。
LDの広さは、どれくらい必要でしょうか。
LDは、デッドスペースを除く整形な空間で、最低10~12畳は欲しいです。(記事下部に関連リンク)。
要約すると、LDで生活するにあたり一般的に必要な家具を置ける広さだからです。生活する上で、食事をするダイニングテーブルがまず必要ですね。1,200×800くらいの大きさと椅子4つが一般的でしょう。それと2,3人座れるソファが1,500~2,000くらい。ソファの前に置くローテーブルが1,000×600など。そしてテレビ台。以上の家具が窮屈せずなんとか置ける最低限の広さになります。ただし、尖った形の部屋ではなく、正方形や長方形など整形な形であることが前提です。
ファミリー層が住む上で一般的な家具の配置を前提としています。ソファを置かない人もいれば、ローテーブルやテレビを置かない人もいるはずです。私なら欲を言えば15畳は欲しいです。ただし、私たち庶民が35年ローンを利用してマンションを購入する際、現実的には贅沢できないでしょう。
その上で注意すべき点は、間取り図の見方です。「間取り図の同じ畳数表記が、同じ生活有効面積とは限らない」からです。初めてマンションを検討する人は知りません。
の間取りを見る上で気をつけるべきポイント
以下の図を見てください。
(※畳数は、分かりやすくしたもので、実際の尺度とは違います。見方の参考にして下さい)
よくあるタイプの間取り(田の字型と呼んでいます)を例にとってみました。
間取り図上、表記は12畳ですね。
赤い部分は床暖房を示しています。近年の分譲マンションにおいて、ほぼ床暖房は標準装備です。
赤い部分を12畳とは言いません。なんとなく床暖房のスペースがLDで暮らすスペースとして12畳とイメージ付けされやすい図ですよね。私たちがマンション売主より見せてもらう間取り図として一般的です。
次に、下の図①を見てください。緑の部分は実際のリビング占有面積を示しています。生活に使用できない廊下のようなデッドスペースが含まれてしまっています。LDの対象は、LDに入る扉の内側と、キッチン天板ラインの外側です。
(図①)
私は当初、床暖房部分だけとは言わないまでも、廊下部分までLDの畳数に入っているとは思いませんでした。「リビングダイニング」は、食事したり団欒したり生活するスペースだと認識しているからです。しかしながら、2回目のマンションを購入した後、色々なマンションの間取り図を見ていて、同じ畳数でも生活する空間の広さが違うことに気がついたわけです。
もしLDのドアを以下の位置にずらしたら、LD占有畳数は10.5畳になります。
(図②)
同じデベロッパーの同物件内でも、図①と図②の間取りが混在していることがあります。そして残念ながら、この事象と、生活への影響を説明してくれない事が多いのです。
ですから、「12畳!」など頭で数字だけ考えていると、そこに落とし穴があります。
友人宅やどこかのモデルルームで「12畳」のLDを見てきて、「家具を置いて快適に生活するのに十分だ」と思ったので、12畳のLDを選んで新築マンションを青田買いしました。しかしながら、内覧会の時に「あれ、12畳ってこんなに狭かったっけ?イメージしていた家具おけないじゃん。」に・・・。そこで、また友人に聞きます。「あなたの家、リビング12畳って言ってたよね?」
間取り図まで友人に見せてもらったら、デッドスペースがない12畳でした。
(図③)
自分が購入した部屋は(図①)の間取りの住戸。
後の祭りです。
同じ畳数表記でも同じ生活有効面積を確保できるとは限りません。
また、柱やPS(配線などパイプスペース)部分は居室の畳数表記に含まれる決まりになっていることも注意点。柱が浸食していれば、表記よりも実際の生活有効畳数は少なくなります。
以上です。
LDに必要な広さと、間取り図を見る際の注意点については、初めてマンションを検討する人が押えるべき、超基本的なことです。次回(リビング編②)は、更に効率的なLD空間の見方について触れます(関連記事)。