前回、20年度(2020年4月~2021年3月)における、江東5区の各駅、築浅中古マンション相場・動向についてまとめました。
※江東区湾岸エリアを除く

今回は更に深掘りして、それぞれランキングを出してみました。築10年以内の築浅に限っているので見解に偏りが出ますが、『新築は高くて買えないけど少しでも新築に近い綺麗なマンションを探している人』『築浅マンションの売却を考えている人』の参考になればと思います。

マンションを選びやすい街ランキング

多くの物件から比較検討できる街です。上位に位置する街は、同じマンション内でも、階数、向きなど複数住戸から選べる時もあり、検討し甲斐があります。※各指標、数字の出し方については前回の記事をご覧ください。

東西線の駅が1位、3位にランクイン。地下鉄駅の乗降客数でも東西線は軒並み上位に入っていますので、マンションが多いのも納得できます。

1位になった「西葛西」は、築古から築浅まで、駅近から駅遠まで、とにかくマンションが多い街です。20年度直近では、江戸川区、特に葛西地区の人口流出が目立っている中、昨年の秋以降は、大手や大規模物件が相対的に割安になってきたせいか、動きが活発でした。何か街の目新しい話題が欲しいですね。

目安ではありますが、売却月数で6ヶ月以内の数字が出ている、「新小岩」「船堀」「住吉」「錦糸町」あたりは、物件数が多くても実際は成約まで早いですから、好条件が売出されたら検討を急ぎたい街になります。事前の住宅ローン仮審査を通しておくなど準備を怠らないようにしましょう。

物件数が多く成約まで遅い街でも、価格が高止まりしている街、例えば「木場」「東陽町」などは、少しでも割安な物件を狙っている人も多いはずです。売出しの条件を見極めた上で、即内見を入れましょう。

マンション価格が伸びた街ランキング

コロナ禍を通じて、マンション価格は更に高騰しました。江東5区においても、伸張した街がほとんどでしたが、実質的に一番成長したのは「住吉」でしょう。

「メイツ深川住吉」竣工後の中古が高値で成約されてから、チャレンジ価格で売出されれば決まる取引が続きました。少し前までは、深川エリア周辺の町と比較して一段相場が低かったので、割安感から一気にブレイクを果たしましたね。

住吉が高い、では次は、と相場を上げてくるのは、急行、快速停車駅で都心部までほど近い「大島」「船堀」「新小岩」あたりでしょうか。

「木場」は、駅徒歩7分の「プラウドタワー木場公園」と駅徒歩3分の好立地「パークホームズ木場クリアテラス」が人気でした。湾岸エリアに人気が集まっていた昨年度でしたが、人気のマンションは強いですね。

「瑞江」「篠崎」は、前年までと比べて明らかに売出しから成約までの動きが活発で、マンション相場をしっかり付けてきました。

常磐線沿線、「亀有」「金町」も飛躍した街ですが、今まで準大手や小規模物件の分譲も多かったので、どんなマンションでもすぐに売れているわけではありません。一方で、築10年を超えている「ヴィナシス金町タワーレジデンス」「ザ・レジデンス東京イーストレジデンス」などはエリアでも人気のマンションです。大手や大規模、タワーは強いですね。

唯一、マンション高騰の煽りを受けなかったのは「日暮里・舎人ライナー」沿線(関連記事)でした。ただし、近隣、新築分譲マンションの圧倒的な売れ行きからも、街の整備が進む「江北」エリアを中心に、マンションへの期待が高いことも窺えました。今後楽しみなエリアです。

マンションの価格が高い街ランキング

江東区の深川エリアと、スカイツリータウン周辺の街が上位を占めました。価格は基本的にはご覧の通りですが、浅草や蔵前は、最寄のマンションでも「所在地が墨田区」だけとしているため参考になりません。

一般層には、中々手が届かない売出しが増えている都心隣接の江東、墨田エリアですが、すでに7,000万円を超えていた「清澄白河」は更に伸ばしました。

清澄白河の隣、「門前仲町」は、前年と比べて相場は上がらず、高値の物件は売れ残ったままで低調でした。「月島」「豊洲」など湾岸エリア人気の影響もあるでしょう。

準都心エリアでは、5,000万円台前半の「船堀」「新小岩」など、交通、生活利便性が高い街が良く動きました。両者とも街の人気が高まっており、今後も上昇しそうですね。

「亀戸」「西大島」「南砂町」は、築浅の数字上ではまだまだ安い印象ですが、今後は、「住吉」と同じように一段相場は上がるでしょう。

マンション人気が高い街ランキング

人気の街は、ある程度客観的な数字で判断しました。売出しから成約までの平均月数の短さです。前回の記事でも触れたように、実態は数字と乖離がある場合もありますので、エリア内での比較など参考にしてください。 

江東5区(湾岸部除く)、人気の街ナンバー1は「清澄白河」!価格でも1位ですから文句なしです!

売却月数の数字「短さ」からわかる傾向としては、常時、売出し在庫が少ないこと、売り出されれば決まるまで早いこと、決定住戸数の総額が多いことなど。ただし、そもそも物件数が少ないエリアや在庫数が少ないエリアでは数字が偏りますので、売出し件数が10件を超える街に限定しました。

とした上で、「清澄白河」が名実ともにイーストエリア人気No.1の街!

これほど高騰しているのにもかかわらず、成約まで平均1.4ヶ月は驚異的です。

「北千住」「船堀」も注目ですね。中古市場では、まだまだ求めやすい相場ですが、だからこそ人気の街は売り出されれば早いです!早く決まれば、次の売出しも少しずつ上昇していきます。「船堀」は、駅周辺にマンションが非常に多いエリアで、今までは在庫もかさばっていましたが、昨年は、「江戸川区役所の移転」が具体的にリリースされたことも後押しし、大手、大規模、小規模物件とバランスよく成約までの動きが早かったです。

人気の「押上」。条件が良い住戸は、1~2ヶ月の早期で結実されているケースが多く、ファミリー層によるマンションの人気はしばらく続きそうです。

押上から徒歩圏内の隣「小村井」は、交通の便が良くない東武線支線沿線で価格が一段下がりますが、「ソライエ・プレミアムテラス」中心に安定して買い手がついています。東京東地区でも穴場のエリアですね。

全体としての目安、平均6ヶ月以内の街であれば、好条件の物件が3ヶ月程度で成約されると考えて良いでしょう。価格が上昇していながら月数がかかっている街は、高止まりして買い手が付かないケースもありますので、買い手、売り手ともに、価格を良く吟味しながら取引したいです。

一方で、葛飾区、足立区などは、まだまだ売出しから1年売出しのままの物件なども多く、マンションに限った見方で言えば、江東区や墨田区とは大きな差があることも確かです。

まとめ・最後に

少しでも新築に近い綺麗なマンションを探している人向けのランキングでしたが、エリア内では、駅から近い再開発物件や駅ナンバー1、大規模マンションなど、築10年を過ぎたお勧めの中古マンションが多いことも認識しておいてください。

先ほども金町と亀有の人気マンションを挙げましたが、他にも、

押上駅前の『エスタガーデン』
南砂町駅前の『グランエスタ』
西新井の『ザ・ステージオ』

など、それぞれのエリアには、何年経っても「鉄板」とされるマンションが存在します。

街によっては築浅だけでなく、上記のような築年数が建っているマンションの動向も見ながら検討することをお勧めします。

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