マンションを検討する際は、月々のランニングコストも大事な判断になり得ると思いますが、ランニングコストが高い!マンションは敬遠した方が良いのでしょうか?迷った場合の判断方法について考えてみました。
この記事の目次
ランニングコストが高い!結論
イシュー
ランニングコストが高いマンションは買わない方が良い?!
結論
1、もしランニングコストが高いと迷ったら、ランニングコストに見合った「住まいの価値」を見いだせるか、「それでも本当に欲しいか」で判断するべきです。
2、比べるのであれば、月々1万程度で悩んではいけません。「コスト抜きにして単純にどちらが良いか」で決めましょう。
不動産は、どの物件も唯一無二です。
残念ながら、自分が欲しいと思ったマンションのランニングコストが安ければと思っても意味がありません。他は他。
マンションは、事業会社が企画商品として価値を打ち出し、価格や維持するコストへ転嫁します。
それが、「高かろう悪かろう」では誰も評価しませんが、その価値に賛同できた方が購入すれば良いだけ。
ですから、高級マンションや駅前のタワーマンションは、価格やランニングコストが高くても支持されて売れるのでしょう。
ランニングコストが高くなる理由
マンションは、主に月々の管理費と修繕積立金が負担になりますが、高くなる理由は幾つかあります。
・コンシェルジュなど人的サービスの充実
・小規模マンションで1戸当りの負担高
・タワーマンション
(高層、高速エレベーター、清掃、修繕費などが嵩む)
・稼働する共用施設が多い
・商業施設一体型で一部が住人負担になる
など。
また、数年以上前にマンションを購入した人から見れば、新築のランニングコストは割高に見えるはずです。マンション価格の高騰に伴い、管理費や修繕積立金も比例して高騰しているだけでなく、修繕積立金の積立不足が社会問題化し、余裕を持った積立が主流になってきたからです。
住まいの価値で判断する
住まいの価値を考える時に、例えば、駅に近い、生活に便利、環境が良い、眺望が良い、商業施設一体型など、人それぞれの価値観があるとは思います。
マンションデベロッパーは、消費者に喜んでもらおうと、その住まいの価値を提供するために頑張って企画します。住まいのコンセプト実現のためにコストをかけ、価格や維持費へ転嫁させる分、高い価値を具現化します。
例えば、私がよく見ている東京イーストエリアで早期に完売した「プラウドタワー金町」はどうでしょうか。近隣で同時期に分譲中の「メイツ東綾瀬」のランニングコストと比べてみます。
プラウドタワー金町(70.67㎡住戸)
管理費27,230円
修繕積立金9,520円
インターネット使用料550円
初年度月々合計37,390円
メイツ東綾瀬(70.66㎡住戸)
管理費13,200円
修繕積立金7,000円
インターネット使用料825円
初年度月々合計21,025円
プラウドのランニングコストには、住まいにおける付加価値がふんだんに盛り込まれています。免震構造による安心感、駅徒歩1分や階下に商業施設や区の施設を入居させる生活利便性、時勢に見合った便利な共用施設、タワーならではの眺望など。価値が高いからこそ、価値に見合ったコスト負担になるわけです。
営業さんから聞いた20年後の7万円近いランニングコストに加え、数十年後に負担となる2度の修繕一時金合計150万円ほどが非常に重いと感じましたが、それでも本気で欲しいと思いました。それだけの価値を見いだしたからです。
もちろん賛同できない人もいるでしょう。
そこは、人それぞれの価値観だと思いますが、「千住ザ・タワー」も「プラウドタワー金町」も、あのランニングコストの高さで早期完売するほどの人気だった事が消費者の評価です。
色々比べておいて逆説的ですが、不動産は唯一無二であり、人気のエリア、駅近、環境が良い、生活に便利となると希少性は増します。
プラウドタワー金町のランニングコストをメイツ東綾瀬と比べても何にもなりません。ランニングコストが安い事に価値を見いだすのであれば、メイツ東綾瀬を選べば良いと思います。プラウドタワー金町との価値の違いを誰でもわかるはずです。誤解しないで欲しいのは、良いか悪いかの話をしていません。価値の違いです。当然メイツ東綾瀬も価格やコストに見合った良いマンションです。
少しばかりのコストに左右されない
上記2物件は、比べるには少し極端な例で、さほど競合もしないと思われますが、もし似通った物件で、月々のランニングコストが1万円違ったらどうでしょうか。1万円は私たち庶民に取っては大きな問題です。
簡単に言えば、月々1万円の負担で一生物の住まいの価値を見誤ってはいけません。暮らし始めれば、家族の中で毎月大きなお金が動き、月々その時の1万円くらい埋もれてしまいます。それどころか、大きな買い物である住まいの判断を失敗した後悔の念のほうが、よっぽど大きな代償としてつきまとうでしょう。
人それぞれ色々な判断基準があると思います。好みの学区なのか、駅徒歩5分以内なのか、眺望なのか、充実した共用施設なのか、そこに月々のランニングコストの判断基準をいったん棚上げして判断しましょう。単純に「あなたにとって、どちらが良いか?」で決めましょう。
そうすれば住まいの満足度が手に入るはずです。暮らし始めれば月々の1万円くらいなんとかなります。結局その他にも数十万円生活費が出るわけですから。
ただし、上記のプラウドとメイツほどランニングコストが変われば、そもそも住まいの価値も全く違う物なので話は別です。それぞれのコストに見合った価値、どちらが自分に見合っているか、欲しいかを判断すれば良いだけです。それほど競合しない物件だとは思いますが。
ランニングコストのリセールへの影響は
皆さんが気にされるリセールです。
ランニングコストが高ければ、売却時に検討者から敬遠されるのではないか?
それは、悪かろう高かろうの場合です。すなわち物件の価値そのものの判断に過ぎません。ランニングコストが高いにもかかわらず、都内の人気高級物件はリセールが弱く買い手が付かないなんて話を聞いたことがありません。
ですから、それ相応の価値に対するコストがかかるマンションであれば、そのコストが生み出す付加価値、希少価値を選びに来る人は必ずいます。
新築を検討する際の注意点
新築マンションを検討していると、月々の管理費や修繕積立金、長期修繕計画を元にした、20年後、30年後の修繕積立金(一時金)が中々提示されないケースがあります。実際に決まっていない場合が多いのでしょう。検討を絞っていくなら、早い段階で説明を受けるよう投げかけましょう。その上で自分にとっての価値を判断しましょう。
最後に
最後になりますが、入居したら管理組合をしっかり機能させ、必要以上に将来的な維持コストが高くならないように住人全員でチェックしていくのは、どのマンションでも同じ事だと思います(関連記事)。