リビング・ダイニングと2つの部屋。家族2人、もしくは3人で暮らす事を想定したときに、60㎡前後の2LDKを探す人が多いと思います。そこで、すこしでも広々快適に住める間取りの条件を考えます。
快適に住める60㎡、2LDKの条件
ここで『快適』とは、『必要最低限の面積でゆったり住むこと』とし、以下を定義としました。
リビング・ダイニング(LD)は、デッドスペース無しで10~11畳以上
・ダイニングテーブル1,200~1,300mmサイズ
・ソファ1,800mmサイズ
・ローテーブル
・TVボード
家族が1番長い時間を過ごすLDに、標準的な家具4点を配置できて、空間が窮屈にならずに、最低限ゆったり過ごすことができる広さになります(関連記事)。
他、キッチンが3畳前後に、夫婦のダブルベッドが置ける6畳前後の洋室(1)と、シングルベッドと勉強机が置ける子供部屋になる5畳前後の洋室(2)
しかしながら、一般的な分譲マンションには、60㎡前後で効率的に住みやすい2LDK住戸が中々ありません。
60㎡の効率的空間を妨げる問題点
快適な2LDK空間を作る上で問題となるのが、部屋のスパン(住戸の幅)です。
通常の板状マンションの住戸スパンは6m前後が通常です(関連記事)。
60㎡の2LDKは、ただでさえ少ない面積の中、3LDKなど大型住戸よりも長い廊下などのデッドスペースに割かれる割合が高くなるため、非効率的な空間が多くなりがちです。
少ない面積で、少しでも多くの生活有効面積を確保するには、縦長の住戸の形を正方形に近づける、つまり住戸スパンが広い必要がありますが、一般的な板状マンションで2LDKを作ると、6mスパンの住戸設定に引きずられてしまいます。細長い住戸で廊下が長い形状になりがちで。効率的な空間を確保できません。
以下は、大規模マンションで良く見られる2LDKの間取り。専有面積は63.98㎡、住戸スパンは5,8mです。
LDを10.5畳としていますが、長いキッチン横の生活に使えない廊下部分が約2畳あるため、LDの生活有効スペースは約8.5畳になり、家具を十分に配置できません。
特に、田の字型の部屋の片方がエレベータで潰れている間取りが多いです。
空間効率が高い60㎡、2LDKを探す
同じ専有面積でも、部屋のスパンがワイドになれば、デッドスペースが少なくなり、生活に使用できる有効スペースが増えます。
以下は、先ほどの部屋より小さめの62.22㎡ですが、住戸スパンが6,8mある2LDKです。
LDが13.7畳、デッドスペースを除いても、12畳以上を確保した効率的な空間となっています。
以上2つの部屋が同じマンション内で階数などほぼ同条件の中で、仮に同じ価格で出ていたらどうでしょうか。
63.98㎡住戸の方が割安に見えるかもしれませんが、実際の生活面積、暮らしやすさを考えると、そうでないことがわかります。
6,8mとまでいかなくても、6,4mくらいあると効率的な空間の間取りが増えると思います。
ただし、スパンを6m以上にしたマンションは多くありません。
では、スパンが広めの効率的な2LDKを探すにはどうしたらよいでしょうか。
マンションを選ぶときは、エリア、立地など他の要素が重要になりますで、間取りから選ぶ事は難しいのですが、目安にしていただければと思います。
・間取りが良いマンションブランド
ワイドスパンを得意とするマンションブランドを覗くと、比較的見つけやすいと思います(関連記事)。
・中古マンションから探す
コストカットされる前、10年以上前の中古マンションからであれば、良質な間取りの2LDKを見つけやすいと思います。
・タワーマンション
タワーマンションはワイドスパンの間取りが多いため、2LDKも効率的な間取りが設定されているケースが多いです。
・60㎡前半の3LDKを2LDKへリフォームする
最近では、60㎡~65㎡前後の3LDKも増えてきています。エレベータが食い込んだ住戸でなければ、LD横の洋室を繋げて大型の2LDKにする選択肢もあります(関連記事)。
・坪単価、生活満足度を考え70㎡を選ぶ手
専有面積が狭くなると坪単価が上がる傾向があります。
更に先ほどのエレベータ横の住戸のように非効率な間取りであれば、専有面積の割に空間をゆったり使用できず生活満足度は下がるので、グロス価格で少し負担をして70㎡住戸を購入する手もあります。
例えば、先ほど間取りの分譲時の価格です。
63.98㎡6,300万円(坪単価325万円)
同じマンション、同じ階数の3LDKの分譲時価格です。
72.69㎡6,840万円(坪単価310万円)
以上になります。
60㎡前後の2LDKを選ぶ際は、限られた専有面積だからこそ、少しでも快適に生活できるように、間取りをしっかり吟味したいです。他、2LDKを選ぶ際の注意点もご参考までに(関連記事)