f:id:murakoshi5:20180801032751j:plainマンションを購入する際、事前に物件の周辺環境を細部までチェックすることは、日々快適に過ごすために非常に重要なことです。では、どんな視点で環境を見ればよいのでしょうか。

理想の生活を送る上で考える2つの視点

結論から言うと、2つの視点で環境を見る事が大事です。1つ目は、住戸内で快適に生活するためにマンション周辺の住環境を確認する事、2つ目は、地域で日々快適に生活するためにマンションから徒歩圏内の生活環境を確認する事です。

環境を考えるにあたり、「自分にとって」マンションでの理想の快適生活とは何かをリアルに思い描くことから始めましょう。

朝の光の中でコーヒーを飲みながら1日の始まりを明るく思い馳せ、休日の日中は明るい日差しの中リビングで子供と本を読んで楽しく過ごしたり、夜は静かな部屋の中で音楽を聴いたり、人によっては高層階からの眺望を望むかもしれません。まずは1つ目、住戸内で快適な生活を送るために、マンションの立地を取り囲む住環境を事前にチェックしておく必要があります。

マンションから外へ出ると、どんな生活シーンが待っているでしょうか。平日は会社まで通勤する人が大勢でしょう。休日は近くの緑道を散策したりスポーツクラブがあれば汗を流したりして過ごします。子供ができたら小さいうちは公園で遊ばせたり、小学校に上がれば子供1人で通わせる事になります。娘が大きくなってくれば駅からの帰りの夜道も心配になりますね。日々子育てをしながら雨の日でも日用品の買い物をしたり母は大変! 2つ目は、そんな日常生活を便利に安全におくるために、マンションから徒歩圏内の生活環境について確認しておく必要があります。

マンションの住環境を確認

f:id:murakoshi5:20180801033028j:plainマンションの立地周辺を確認する事が大事なのは、住戸内の明るさ、日当たり、開放感、静かさ、部屋からの眺めといった、良好な住環境を確保するためです。

リビングで明るく楽しく生活するため

リビングダイニング(以下、LD)は、マンション住戸の顔になります。どの部屋も明るいに越したことはないのですが、1日のうち大半を過ごすLDが明るく開放感満ち溢れる空間であることは、まずもって大事なことです。

採光豊かな空間にするためには、LD開口部の前面において、おそらく数十メートル以上開けた環境が必要になりますが、前面にビルなど建物が存在する場合は、双方の階数(高さ)を確認することが必要です。新築物件などは、中々実物の居室を見ることが難しいと思いますが、モデルルームでシュミレーターがあったりするので、LD開口部が隣接した立地の建物で遮られてしまわないよう、建設現地と合わせて部屋の位置や階数相当の高さをよく確認しましょう。

f:id:murakoshi5:20180801033146j:plain部屋の明るさ、眺望を確保するためにマンション住戸前面の建築物より高い位置を確保したい

ここでは空からの自然光による採光のことに触れているので、住戸の向きは東西南北関係ありません。家の中から窓をみて、窓枠の中に空が占める割合が大きければ、たくさんの自然光が入ってきて部屋が明るくなります。

日当たりの中でポカポカ暮らすため

南向きは日中太陽の角度が高くなるため、前面にある程度の高さの建物があっても室内に陽が入ってきますが、それでも住戸前の建物や環境を同様に見なければいけません。特に、東向きや西向きは太陽の高度が低いため、数十メートル以内の近隣に、自分の住戸以上の高さの建物があると日当たりはかなり制限されてしまいますので、朝日や西陽を大切に生活したい人は要チェックです(※他にも、部屋の明るさ、日当たりは、窓の大きさ、角部屋など窓の多さ、窓枠の高さ、ベランダの奥行きなども影響します)。

静かな部屋で落ち着いて生活するため

マンション周辺が騒々しいと、リビングでテレビの音量を上げなければいけません。朝や夜、寝室での睡眠が落ち着きません。土日は自宅でゆっくり過ごしたい人の妨げにもなります。周辺に大通りや交通量の多いバス通り、商業施設など喧騒の要因がないか、よく確認しましょう。同じマンション棟内でも、住戸の位置が少しずれるだけで喧騒を感じる度合いが変わってきます。例えば以前見た物件では、物件東側近くに新幹線が通っており、西側になるにつれて騒音の度合いが変わるようで、西側の住戸は販売価格を若干高めにしていると営業マンが言っていました。

見晴らし良く開放的に生活するため

マンションの良さは何といっても開放感や眺望にあります。こちらも採光、日当たりを確認する視点と同じように周辺の高い建物と自分が選ぶマンションの階数を事前によく調べておきましょう。

将来的に住環境が保証されるか

述べて来たように、現在の環境が確認できたら、その環境が現在だけでなく半永久的に保証されるかも見なければなりません。ポイントは周辺の土地活用状態です。

まず、都市計画法で定められている「用途地域」を確認します。マンションの物件概要には必ず用途地域の記載がありますが、マンションの立地だけでなく、徒歩圏内、周辺の用途地域も合わせて確認する必要があります。エリアの用途地域は行政のホームページに記載されていて、誰でも該当エリアの用途地域を見ることができます。

以下例にとって見てみます。

f:id:murakoshi5:20180801033341j:plain現在、マンションAは南側が開放的な環境だとしても、用途地域が「近隣商用地域」であるため、将来的に商業施設や大きなビルが建ち、日当たりや眺望が遮られてしまう可能性をはらんでいます。マンションBは、南側「第一種低層住居専用地域」の土地において、高い建物や商業施設を建てることができないため、将来的にも南向きの眺望や日当たりは保証されると言えます。マンションCは、更に四方が「第一種低層住居専用地域」なので、喧騒になるような商業施設や眺望、日当たりを遮る高いビルが周辺に建つ可能性が将来的にゼロに近い、恵まれた住環境を保てる立地と言えます(行政によっては住居専用地域でも届け出制で小売店を建てられたり、付随して「建物高さ制限」が設けられていたり対応が異なりますので確認が必要です)。

次に、法律上だけでなく実際に周辺の土地がどのように活用されているかを見ます。住戸前面の土地が、神社、墓地、公立の公園などに活用されている場合は、住環境が半永久的に確保されます。将来的にそれらの土地活用が変わる可能性が低いからです。一方で、古いアパートや工場、駐車場などに、まとまった土地が活用されている場合、将来的に高いビルやマンションに代わってしまうことで良好な住環境が破壊されてしまう可能性を秘めています。周辺の土地活用、よく確認しておきたいポイントです。

以上は、住戸内で明るく快適に暮らすための、マンションの住環境を確認する視点でした。

マンション徒歩圏内の生活環境を確認

f:id:murakoshi5:20180801033415j:plain次に2つ目の視点、マンションから外に出て、楽しく便利に安心して日々の生活を送るために、マンション周辺の生活環境を見ます。

生活利便性確保のため

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f:id:murakoshi5:20180801033514j:plainコンビニは2.3分圏内、日用品スーパーは徒歩5分以内にあるとベストですね。特に大型ショッピングモールが近隣にあると買い物や遊び場などに事欠かず、本当に重宝します。他にも、趣味を満たしてくれる文化施設、総合病院など、自分の生活に必要な施設が近隣にあるかよく確認しておきましょう。

交通利便性確保のため

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f:id:murakoshi5:20180801033611j:plain最寄りの駅までの道のりは通勤時間帯や夜遅くなど1度歩いて確認しましょう。できれば駅までの経路に喧騒や交通量が激しい大通りを挟みたくないところです。更に電車だけでなく他の公共機関もチェックします。マンション周辺にバス停があると、様々な生活シーンにおいてかなり助けられます。雨の日なども効果発揮します。車で出かける事が好きな人は、主要な幹線道路や高速道路の入口が周辺にあると便利ですね。

安全性・防犯のため

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f:id:murakoshi5:20180801033715j:plain周辺道路の交通量、マンション周辺が抜け道になっていて車の流れが早くないかなどをよく確認し、合わせて歩道の広さ、整備状況などもチェックしておきましょう。夜間の生活環境、治安、周辺の街灯の明るさなども知らない街であれば特に確認しておきたいです。

自然環境に癒されるため

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f:id:murakoshi5:20180801034020j:plain周囲に大きな公園や水や緑など自然が多い環境は癒されます。積極的にマンションを選ぶ環境基準としたいです。

子育て環境確保のため

f:id:murakoshi5:20180725205342j:plainとっても大事です。子育て環境については、以前1つの記事にしています。

災害の危険性把握のため

f:id:murakoshi5:20180801034610j:plain地域のハザードマップや地盤、土地の歴史などをできるだけ調べておきましょう。理解した上でマンション住戸を選ぶのか、住み始めてから理解するのとでは違ってきます。僕が住んでいる地域は海抜0メートル地帯なのですが、事前にそれを理解していたので、正直低層の住戸は検討しませんでした。ここは、マンションデベロッパーによく確認することも有効だと思います(関連記事)。

以上、日々地域で快適に暮らすために、周囲の生活環境については、土日平日、昼夜間などできるだけ何度も歩いて下調べしておくことが重要です。合わせて、マンション業者や地域住人などから実際に話をよく聞くこともお勧めします。

最後に

マンションを購入するにあたっては2つの視点から周辺環境を確認することが大切だとしてきました。1つ目は部屋の中で快適に暮らすためのマンション周辺環境の確認、2つ目は地域で快適に生活するための生活圏内環境を確認する視点です。マンション購入してから後悔しない大事なポイントです!

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