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竣工を待たずに439戸が完売!今更ですが、惚れ込んでしまったこのマンション。今後、中古市場での売買の参考になればと思い、素晴らしさをまとめてみました。

物件概要

リビオシティ・ルネ葛西
東京都江戸川区東葛西9
東京メトロ東西線「葛西」駅徒歩18分
14階439戸
駐車場:259台
駐輪場:サイクルポート439区画
用途地域:工業地域
分譲:日鉄興和不動産、総合地所
施工:長谷工コーポレーション
管理会社:長谷工コミュニティ
竣工:2019年8月予定

僕も一時期検討していた頃がありましたが、その時は駅から遠いハンデばかりが目に移り、正直このマンションの良さを理解できませんでした。先日ふと思い立ち、残りの販売住戸を見てみようと思ったら、なんと!竣工数か月前に完売!!??しているではありませんか。駅徒歩18分の立地というハンデがあるマンションが、竣工数か月前に439戸すべて完売ですよ。

その人気の源泉に興味が募り、現地に赴いたところ、とんでもなくカッコイイマンションに仕上がっていたのです。なぜ、同じ東西線沿線、東陽町駅徒歩5分の「シティテラス東陽町」が522戸を売り切るのに竣工後3年近くの時間を費やしたのにもかかわらず、この駅徒歩18分のマンションはあっというまに439戸を売りつくしたのでしょうか。

売れた理由。それは一番には安かったからだと思います・・・。

シティテラス東陽町は、
東陽町駅徒歩5分で、坪単価300万円として、6,360万円
リビオシティ・ルネ葛西は、
葛西駅徒歩18分で、坪単価200万円として、4,240万円

70㎡あたり2,000万円以上、3割以上も安い。大きな違いですよね。

ただし、当たり前ですが価格だけでは絶対に売れません。

以前、駅遠マンションで資産価値を考える論点を記事に書きました。「資産価値」というと僕なんかには少し難しいのですが、僕が気にしているのは、消費者、居住者からの「人気」「評価」です。人気が高ければ、需要と供給のバランスから、結果、価格、資産価値の維持につながると思うからです。以上を踏まえて、「リビオシティ・ルネ葛西」の人気の秘密を7つの視点から紐解いてみたいと思います(関連記事)。

①圧倒的な沿線人口の多さ
②都心部へのアクセスの良さ
③ライフスタイル創造型レジデンス
④大規模ランドスケープデザイン
⑤生活利便性がずば抜けて高い環境
⑥ハンデを埋める共用施設・サービス
⑦住環境・周辺環境の素晴らしさ

①圧倒的な沿線人口の多さ
いくら物件が良くて価格が安くても、購入する人がいなければ売れません。「葛西」といえば、エリア的に二子玉川や武蔵小杉、豊洲のように広域から人気があって人を集められるエリアではないため、周辺、特に沿線の昼夜含めた人口がものを言うと考えます。

東京メトロ路線別1日当たり利用客数
1位:東西線 (1,430千人)
2位:丸ノ内線(1,316千人)
3位:千代田線(1,241千人)
4位:日比谷線(1,181千人)
5位:銀座線 (1,109千人)
最下位:南北線(537千人)

同、乗換路線がない駅の乗降客数
1位:東陽町(126,363人)
2位:虎の門(117,329人)
3位:葛西(106,899人)
4位:西葛西(105,183人)
5位:神谷町(99,610人)
参考:志茂(12,425人)
参考:西ヶ原(8,523人)
(出展:2017年度東京メトロ、日本地下鉄協会資料)

東西線は、通勤ラッシュが酷いことで知られていますが、乗降客数から圧倒的に沿線人口が多い事は自明です。また乗換駅ではない単発路線駅の乗降客数だけに絞ってみると、東西線の、大手町より東の東陽町、西葛西、葛西が上位5駅のうち3駅を占め、1日当たり10万人以上の乗降客数を記録しています。これだけ乗降客数が多いということは、夜間人口だけでなくビジネスや学生など街の元気さを表す一つの尺度にもなるので、マンションの企画、作り方次第で、まだまだ潜在的需要を取り込めることが窺えます。葛西は、南北線の志茂や西ヶ原の10倍の乗降客数を誇ります。ただでさえ、マンションが売れなくなっている時代です。志茂や西ヶ原で、駅から遠くて、どんなに良いマンションを作っても、購入する人を探すのは相当難しそうですよね。

②都心部へのアクセスの良さ
23区西部の品川区や目黒区、世田谷区などから相対的に住宅相場が低いエリアではありますが、江東区、江戸川区は都心に近く、ビジネスマンにとっては非常に便利な立地です。葛西から大手町までは16分、駅まで20分要したとしても、30分ちょっとで都心まで出られてしまいます。これが二子玉川であれば、電車に乗っているだけで倍の32分かかります。通勤や買い物に便利ですぐに都心に出られる環境が、駅遠でも人気を保てる理由の一つだと思います。

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③ライフスタイル創造型レジデンス
これは結果論ですが、、、、。
このマンション、コンセプト勝ちだと思いました。ずっと「TOKYO ALOHA PROJECT」と言う名目の元、マンション名が隠れていました。プロジェクトというくらいだから、マンションが建つのは相当未来だろうと思っていたら、マンション名が隠れたままいつの間にか完売という数奇なマンション事業だっだのです。この「アロハ」というコンセプトを、最初僕は「何それ?」と冷ややかに見ていたのですが、消費者の目はそうでなかったようです。ディズニーリゾートや葛西臨海公園に程近いこのエンタメ性明るい活動的なエリアにおいて、こういった企画提案をやってのけたデベロッパーのすごさを今になって感心しています。このコンセプトを、自然豊かな周辺環境や楽しい商業施設、ディズニーリゾート、大規模公園、湾岸エリアといったロケーションと共にしっかり具現化し、マンション発信の生活創造提案を実現しているわけです。共用施設の機能性や便利さを楽しいと言うコンセプトに基づいて色づけ、企画段階からマンションの機能設計まで落とし込みました。エントランス廊下をハワイアンテイストに仕上げ、ラウンジなどの共用空間はハワイの人気セレクトショップが監修、南国の植栽をランドスケープデザインに埋め込むなど、『アロハプロジェクト』として明るい、楽しいレジデンスに振り切りました。

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(出典:物件資料)

入居後は、「HITOTOWA.INC」とのコラボで、住人同士のコミュニティイベントやワークショップの開催も計画されているらしいので、このレジデンスを更に盛り上げていくために、管理組合の役員、住人同士のコミュニケーション強化も欠かせなくなってくるでしょう。

おそらくモデルルーム見学から内覧者をしっかり楽しませ、新しく楽しい生活を想像させるような取り組みがなされていたはずです。こういった充実した共用施設や植栽計画などの取り組みは、不採算コストや日々の非効率なランニングコスト負担が大きいと思うのですが、400戸を越える大規模によるスケールメリット、自走式駐車場による豊かな財源で見事にまかない、1住戸当りの価格や月々の低ランニングコストに結びつけました。それは、駅近ではできなかった取組みであり、駅遠のメリット、デメリット、それを評価する人々の生活や行動形態をよく考え抜いて創られたマンションデザインであったのです。

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④大規模ランドスケープデザイン
マンションは、「格好いい!」「素敵!」という、一見理屈ではないエモーショナルな部分、第一印象、見たくれが大事です。相対的に検索されたり、第一の検討材料に入ってくる「指名買い」が起きるのは当然ですから。このマンションで具体的に言えば、誰もが心を揺さぶられるような「大規模」マンションの圧倒的な存在感、ホテルライクなオーナーエントランス、車寄せ、アロハを彩った植栽計画といったランドスケープデザインを指します。更に言えば、大通り沿いの開けた環境に建ち、多くの人から見られ幅広く認知されるようなインパクトがあります。

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⑤生活利便性がずば抜けて高い環境
人気の大型商業施設の傍らで、楽しく便利に生活できる環境は、誰もが羨む生活スタイルです。「駅近・駅前」は交通に便利なだけでなく、生活利便施設が集積されているので、「駅遠」を選ぶ人にとっては、交通の便が悪くても、大型ショッピングセンターにマンションが隣接している環境は、駅遠のデメリットを埋める重要な要素です。このマンションは「ホームズ」というホームセンターと「アリオ葛西」という大型複合商業施設に隣接しているのですが、驚異的なリセールバリューをたたき出している、都営新宿線西大島駅徒歩12分の「東京スイート・レジデンス」も「アリオ北砂」が隣接していました。

⑥ハンデを埋める共用施設・サービス
駅遠マンションには必須ですね。2~3台余裕を持って止められるサイクルポートが1住戸に1区画設置され、サイクルシェアも用意されています。駐車場は自走式駐車場で便利に出し入れできます。また隣の商業施設のショッピングカートが乗り入れOKというから驚きです。共用施設も充実していて、ハワイアンテイストなカフェラウンジにテラスラウンジ、ブックサービスなど、駅から遠くても日々の生活、買い物に困らない至れり尽くせりのマンション内サービスが提供されます。更にこの管理費で、コンシュルジュ、24時間有人管理!日々、住人の生活を惜しみなく支援してくれるでしょう。

⑦住環境・周辺環境の素晴らしさ
駅遠マンションの魅力は何といってもこれです。まず住戸内で明るく快適に暮らすための住環境の良さが約束されています。マンション周辺、特に住戸前の南側が商業施設、西側が大通り挟んで低層の住宅地のため、半永久的に空が抜けて明るく抜群の日当たりと、中高層階からだと眺望も期待できる恵まれたロケーションです。

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そして何とっても自然豊かな周辺環境。

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徒歩圏内に、東京湾、葛西臨海公園、旧江戸川、新左近川親水公園、なぎさ公園と、西葛西~葛西一帯は、都心から近くにいながら大自然を満喫できる絶好の場所です。(出典:物件資料)

気になった点
アリオ葛西は近い将来無くならないでしょうか、、、、という怖いことを考えてしまいました。無くなって跡地にマンションでも建ったら・・・。なんてありえませんね、きっと。住戸間の敷居板が低いタイプのものであることと、中住戸の共用廊下側が柱でガッツリ浸食されていて少しのアルコープもないことが残念でしたが、この価格帯のマンションですから枝葉末節な事ですね。それと、やはり東西線の痛勤。駅から遠いことに加え、東西線に乗ったら地獄の車内。今後、まずは南砂町駅、木場駅のホーム改良、そして近い将来、有楽町線延伸による混雑緩和を期待しましょう。

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購入・売却時の注意点
駅徒歩18分のマンションが、とてつもない人気で即売したわけですが、内覧者への見せ方含めアロハプロジェクトの熱が相当大きかったと思うのです(最終に近い価格表)。(出典:物件資料)
ですから、売却時も、物件パンフレットはきちんと保管しておいて、仲介業者ともよく連携しながらマンション全体や振り切った生活創造レジデンスの特徴をしっかり伝えきるよう工夫したいですね。
一方で、この物件を中古で購入するとしたら、大通りに面した西向き住戸は避けたいです。大通りはバスやトラックの往来もあることに加え、土日はアリオ駐車場に並ぶ渋滞が発生するので、バルコニー前面の喧噪が気になるからです。南向き棟の大通りから離れた東側の住戸、かつ理想は中高層階で南に東京湾を眺められる住戸だったら最高だなと思いました。

僕は、この西葛西清新町から葛西臨海公園界隈の、都心近接ながらにして自然豊かな環境が大好きで、更にこの「リビオシティ・ルネ葛西」のかっこよすぎるマンションと充実した共用施設や生活の楽しさを創造してくれるランドスケープデザインに惚れ込んでしまいました。今後、中古市場での売り出しを注目したいと思います。

(以下、2019年6月26日追記)
南西角、1階、84.08㎡の住戸が、6,280万円で売りに出されています。キャンセル住戸でしょうか。

(以下、2019年10月11日追記)
これだけの大規模ですから、キャンセル住戸が発生しています。
西北角、4階、78.72㎡、5,349万円
南、4階、76.20㎡、4,939万円

現在、お隣、西葛西で分譲中の2つの大規模マンションも検討したい素敵なマンションです!

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